disc review荒さすら泣けるノイジーツインボーカルギターポップ

shijun

Clover e.pMarble Guitar Case

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日本のインディーロックバンド、marble guitar caseの1998年発売のe.p。男女ツインボーカルスタイルとシューゲイザー、オルタナの影響を受けた歪んだギターサウンドが心地よい。この時期のバンドでこの説明、真っ先に思い浮かぶのはスーパーカーだろう。しかし彼らはスーパーカー以上にインディー気質なようであり、よりいなたさを感じさせる仕上がりになっている。

ヒリヒリと焼け付きそうなノイズギターがいきなり暴れまわる#1「Peter」。キャッチーかつチープなメロディのリフレインが愛おしい。へなへなした甘い男ボーカルもグッド。#2「Kitten Ball」は女性ボーカルを中心として、穏やかなグルーヴの中で、これまたポップだがどこかインディー的な気の抜けたメロディが聞ける、なんだかわからないけど泣けてしまう仕上がりになっている。表題曲、#3「Clover」は泣けるコードワークが魅力。線の細いボーカルが拙くも泣けるメロディを紡ぎ出し、ノイジーなギターも相まってなかなか荒い印象を受けるがその中で存在感を出す綺麗めのシンセもポイント。2

以前レビューでも紹介した北京のHedgehogに近いサウンドである。さすがにインディー気質すぎたのか精力的な活動の割にはあまり知名度を得ることのできないまま現在は活動を停止してしまっているようであるが、このいなたさを愛する人もまた多いだろう。

WRITER

shijun

ポップな曲と泣ける曲は正義です。female vocalが特に好きです。たまに音楽系のNAVERまとめを作ってます。なんでも食べます。

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