disc reviewレトロと現代の直交地点、ニューエイジガレージポップ

shijun

Tiny TerrorsTwo Cartoons

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ニュージーランド出身、ロンドンで活動中のインディーロックバンド、Two Cartoons。ガレージロックやUKロックをベースとしたシンプルでクレバーなサウンドながら、人懐っこいポップネスも存分に持ち合わせているバンドである。

「1.2.3!」のコールが楽しい#1「Bubblewrap」。サウンドはシンプルだが、奔放なフックが随所に仕込まれており心地よい。表題曲「Tinny Terrors」はガレージロック譲りの重厚なギターサウンドが全編に渡って楽しめる。とはいえ重く激しい楽曲というわけでもなく、跳ねるようなリズムと、思わず「やられた!」と言いたくなるようなこちらの虚をつくポップなメロディが楽しい。#3「Dreams」は打って変わってドリーミーで儚い雰囲気で、緩やかに空気を積み重ねていく構成になっている。Uh~のコーラスもインディー然としており楽しい。#4「Utah」はレトロで踊れる空気感のガレージロック。あまり良くない音質もそれっぽい雰囲気であり、かの頃のロック・ディスコのキラーチューンとして機能していそうな感じ。なんども現れるキメにも注目。2分程度なのも良い。#5「Birds:Burns」はおぼろげな笛風のシンセと、シンプルかつミディアムな空気感によって楽しくも虚しさの残るサウンドに。最後はしっとりしつつも随所で盛り上がりを見せるエモーショナルな#6「Winter With You」で締め。

抜群のポップセンスとちょっとばかりの悪戯心、Cartoonというバンド名に違わない切り口である。レトロな要素と現代的要素の交差するサウンドも堪らない。bandcampでの配信は停止しているようだが、現在でもiTunesで購入可能なようなので、ぜひともチェックしてほしい。

WRITER

shijun

ポップな曲と泣ける曲は正義です。female vocalが特に好きです。たまに音楽系のNAVERまとめを作ってます。なんでも食べます。

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