disc reviewinterview corner of kanto meets cllctv.
2017年12月に、1st albumをリリースし、インディペンデントなレコードショップやディストロを中心に熱い注目を浴びてきたバンド、corner of kanto。今回は1st album『昼の庭』の全国流通の開始を目前に控えた彼らにインタビューを敢行し、彼らの音楽遍歴や、corner of kantoという音楽の成り立ちの根本に迫った。
Tomohiro:今日は高田馬場の某音楽スタジオにて!
corner of kanto、1st album『昼の庭』リリースにあたって、Gt/Vo. 矢部さんとBa/Cho. 成塚さんにお話を伺います。よろしくお願いします!
矢部:高田馬場の踏切に阻まれて到着が遅れました、corner of kanto矢部です、今日はよろしくお願いします!
成塚:矢部が遅くなりました、corner of kanto ベースの成塚です。今日はよろしくお願いします。
“もっと日本人っぽいことやりたいなというか、今まで聞いてきたものを全部混ぜたような曲やりたいなって -矢部”
Tomohiro:早速なんですが、corner of kantoを結成するきっかけの話を伺ってもいいですか?
矢部:まず初めになんですけど、僕が高校の時に、友達と「地元で一番うまいバンド作ろうぜ」って言ってメンバー集めてバンドをやってたんですよ。そこで今のリードギター(小紫)と知り合って、一緒にバンドをやってて。それとは別に、小紫も今のドラム(漢人)とバンドをやってたんですけど、まぁ僕らもまだ高校生だったから、どちらのバンドも長く続かず解散しちゃって。
でもその後も僕と小紫は仲が良くて、小紫経由で漢人のことも知ってたから、一緒にバンドやろうって誘ったんですよ。これで現メンバーの三人が集まって、みんな八王子に住んでて、関東の端っこだから”from the corner of kanto”とかでいいんじゃないかって 笑。
Tomohiro:なるほど、じゃあバンドの原型は高校生の頃に出来上がってたんですね。そう思うと結構バンド歴も長いですね。でも、まだベースは成塚さんではないですよね?
矢部:はい。ここからもまた長いんですけど。成塚との出会いは大学に入ってからで。僕と成塚は同じサークルだったんですよ。corner of kantoではベースを弾いてるけど、彼はマルチプレイヤーでギターも歌もできたから。サークルの中で彼がボーカルギター、僕がリードギターのバンドを組んでたんですよ。
Tomohiro:へぇ!今とは全然違う編成ですね。
成塚:そうですよね 笑。で、そのバンドは大学入ってすぐ組んだから、4年ぐらい続いたのかな?
矢部:そうだね。
成塚:でもまぁ卒業とか、就職とかいろいろあって。メンバーも離れたところに行っちゃったからもう続けられなくなって。活動は終わっちゃったんですよね。
それで、その頃なんですけど、from the corner of kantoの方でも、メンバー間で目指すものの違いとか、色々とずれが出てきていたみたいで。
矢部:そう。例えば、僕らの1st albumでは、Elliot Smithっぽい曲とか、なんだろう。Sparkle Horse、レディへっぽい曲とか。いわゆるオルタナを取ってきたというか、まだ混ざっていない音楽だったんですよね。で、それに現メンバーの三人は少しずつ飽きてきちゃって。もっと日本人っぽいことやりたいなというか、今まで聞いてきたものを全部混ぜたような曲やりたいなって。
それで、これぐらいの頃から曲をすごく練る作業をするようになったんですけど、だんだん当時のベースと感覚の違いが出てきて。で、成塚と僕のバンドが活動しなくなったから。
成塚:そこに入れ替わるという形で入ってきて。
矢部:で、ちょうど成塚も立川に住んでて関東の端っこだから 笑。バンド名もそのままで。
成塚:でも、from theはこのタイミングで外したよね。
矢部:ああ、そうそう。長いねってなってたから 笑。
Tomohiro:なるほど。長い時期を経てそれぞれのつながりが結びついてcorner of kantoが生まれたんですね。
成塚:そうですね。それぞれが組んでいたバンドで、よりやりたいものを目指してメンバーが変わっていって。その塊として今corner of kantoがあるというか。
Tomohiro:その自然と集まった感じって、うらやましいですね。バンドっていろんな形があるじゃないですか。メンバー募集見て集まった知らない人同士とか。逆に近しい人で組んだけど趣味はバラバラとか。そういうそれぞれの向いている向きが違う要素がなく、自然と同じ向きを向いてバンドが成り立っているのは、すごく強みになりそうですよね。
矢部:そうですよね。僕らもそれぞれいろんなバンドを組んできたんで、そういうことがあるのもすごいわかります。あ、そうだ。僕が高校の時組んでたバンド、よかったら聞いてくれませんか?
Tomohiro:あ、それすごい気になります。
成塚:音源今持ってるんだ 笑。
~音源を聴きながら~
Tomohiro:このイントロの!ギターリフに続いてドラムベースが入って。リードギターもハーモニクスポロ~ンからのキメで曲に入る感じ!まさに僕ら世代というか。時雨とかそういう要素が懐かしいですね。
矢部:この時のバンドは、結構我ながら頑張ってたなと思ってて。赤い公園とかとコンテストみたいなので結構惜しいとこまで競ったりもしたんですよ。でもこの後メンバーがACIDMANとかバンアパにはまっていったり、僕も僕でsusquatchとかClimb The Mindとかに傾倒してって。趣味がずれてくると…。
Tomohiro:その流れ、会話が想像できますよ 笑。「その不協和音はないだろ」、「いや、これは不協和音だから気持ちいいんだ!」みたいな。
矢部:そうそう、そうそう 笑。それでこのバンドは別れちゃったんですよね。
成塚:僕もそういうところがあって。高校の頃組んでたバンドは、ドラムが9mm、時雨とか好きだったんですけど、僕は通ってなかったから。そこでちょっとお互いのすれ違いみたいなのがあって。そんなツーバス踏むなよって!
Tomohiro:すごいありそうな話ですね。僕ら同世代というか同い年だから、やっぱ同じような背景があるというか。
Tomohiro:せっかくだから僕のバンドも少し聴いてもらえますか。多分いろんな共感ポイントがあると思うんですよね…。
矢部:あ、いいですね!他人の昔のバンド聴くの楽しいですよね。
~以下略~