disc review濡れたメロディが心地良い、メランコリック万華鏡

shijun

『5曲』Tempalay

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東京、埼玉を中軸に活動するスリーピースバンド、Tempalayのミニアルバム。USインディーの影響を感じさせる、ローファイでドリーミーなサウンド。優しそうなのに実は悪戯っぽい、目まぐるしく景色を変える曲展開。濡れまくりながらどこかクールなメロディ。どこを取っても一級品で至福のひと時を届けてくれる一枚になっている。

リードトラックである#1「New York City」からドリーミーでメランコリックなサウンドが心地良い。濡れまくりなのに心の底までは委ねてくれないようなメロディも、ガラッと空気を変える展開もエモーショナル。#2「Austin Town」は腰にくるブラックなビートが楽しい踊れる曲。そこにサイケデリックなパートもあり、レトロな管楽器が鳴り響くパートがありと一筋縄ではいかない展開が待ち受けている。vaporwaveを聞いている時に似た感覚を覚えた。ヒューマンビートボクサーのREATMOをフューチャリングした#3『ZOMBIE-SONG feat. REATMO』はホラーテイストなローファイヒップホップ。ファニーなAメロからメロディアスにノスタルジーを煽るサビへの移り変わりが鮮やか。どこかスモーキーな声もノスタルジーに色を添える。至福のメランコリックポップ#4「CHICAGO in the BED」。まさに寝室で微睡んでいる時のあの心地を味わえる。最後は日本人好みのアンニュイなメロディに淡々としたポストパンクが心地良い#5「San Francisco」で締め。アンニュイなのにどこか優雅さすら漂わせているのが見事。5曲と言うシンプルなタイトルに恥じない曲の強固さ。ぜひ手にとってほしい。

WRITER

shijun

ポップな曲と泣ける曲は正義です。female vocalが特に好きです。たまに音楽系のNAVERまとめを作ってます。なんでも食べます。

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