アイスランドはレイキャビクのエレクトロポップデュオ、East of My YouthのデビューEP。アイスランドらしい低温感に包まれたエレクトロニカサウンドに透明感も持ちつつパワフルな女性ボーカルが乗る。エレクトロニカでありながら雄大な自然を思わせるようなシンフォニックさ、壮大さも持ち合わせているのも特徴的か。

水音のサンプリングも現れ涼やかに進む#1「Words」。そこに透明なボーカルが色を刺す。冷たい空気感を保持しつつもゆったりと熱量を上げていく構成が見事。不穏なクラシカルさを放ちつつドラマティックに進む#2「Sirens」。中盤の壮大な展開は映画の様。キラキラしたAメロとシンプルでダンサブルなサビの対比も見事な#3「Mother」。ボーカルラインはポジティブさも感じさせる明るくポップなものとなっている。アトモスフィックで幻想的な#4「Only Lover」。#5「Stronger」はフォーキーでシンプルなピアノ弾き語り風で進んでいく曲。ほとんど主張しないリズムトラックがいい味を出している。じわじわと盛り上がってくる後半は圧巻。アイスランドのシンガーSalka Sól Eyfeld#6「You are the one (Adanowsky) [feat. Salka Sól]」はクラブ映えしそうなクールで楽しいダンスナンバー。

基本的にはダークな空気感を放ちつつも、時に壮大なきらめきを滲ませるアレンジセンス。アイスランドが音楽大国であることはもはや日本でも周知の事実であろう。ここらで一つ、活きのいい若手にアンテナを張ってみるのもいかがだろうか。