disc reviewmail interview cllctv. meets ophill

tomohiro

年初めにバンドキャリア初のミニアルバム、『UFO 4 U』をリリースした、名古屋の良心インディーの一角、ophill。cllctv.のイベントにも度々出演してくれ、そのひょうきんさと情緒の同居する懐っこい音楽でイベントを彩ってくれた彼らより、Vo/Gt. 川上氏を招き、メールにてインタビューを行いました。

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20190414-27

影響を受けたUSインディー、オルタナ、サイケ、フォーク、90’s感に焦点を合わせたバンドを作りたい


ツジ:いつもお世話になっています。今回はどうぞよろしくお願いします!早速ですが、ophillを結成するに至ったきっかけを教えていただけますか?

川上:どうぞ宜しくお願いします。25~28歳の時にやっていた初めてのバンドが解散してから10年くらいバンドはやっていませんでした。そのバンドでは自分自身の未熟さから、影響を受けたUSインディー、オルタナ、サイケ、フォーク、90’s感をうまく曲に乗せることができていなかったという思いがありました。なので、そこに焦点を合わせたバンドを作りたいという気持ちが徐々に大きくなってきていました。

ツジ:プレイヤーとしての音楽との付き合いがなくなっても、ずっと音楽への思いは持ち続けていたんですね。

川上:そうですね。音楽だけは聴き続けてました。

ツジ:この”バンドをやっていなかった”10年間は音楽とどのような付き合い方をされていたんですか?ギターは弾き続けてたんでしょうか?

川上:それまで聴いていなかった音楽を掘っていました。70年代の日本のロック、ソフトロック、昔のサイケとカンタベリー系、MPB(Música Popular Brasileira)を聴いていました。現行はクッキーシーンを熟読しながら(笑)いろいろ聴いていました。特にsam prekop、wilco、ジムオルーク、joan of arcを熱心に聴いていたと思います。あとはpavementのアルバムがデラックスエディションで再発されていた時期で膨大なアルバム未収録曲を聴いて、malkmusのアイデアの豊富さとそれをラフに試すバンドに改めて興味を持ちました。なんかバンドっていいなという憧れですかね。ギターは家で弾く程度でしたね。それまでと違う作り方でなんとか曲らしいものができないかなと試行錯誤していました。

ツジ:10年かけて、バンドへの思いを確固たるものにしていったんですね。現行も追いつつ、しっかりルーツも辿る、実に情報量のある10年間です。そしてその範囲も、日本、アメリカはもちろんのこと、ブラジルのポピュラーミュージックまでカバーされている。なかなかこれだけの情熱を保ち続けて音楽と向き合うことはできないと思います。

川上:興味が増えるとレコ屋さんでの行動範囲が広がって面白かったです。それから、子どもが少し手がかからない年齢になってきたのでバンド計画を実行に移すべきだと思って、元メンバーでベースの大江君に相談してとりあえず曲でも作ろうということになりました。月に1回くらい会ってデモテープを作りながら作曲のリハビリをしていました。2、3曲出来てきたので身近な人に声をかけて無理やりスタジオに入ってwe are the world(笑)というバンドを作りました。

ツジ:we are the world、いい名前ですね(笑)。

川上:pavementのボブ役(タンバリンと絶叫役)も作ったのですがあまり上手くいかず(当たり前ですね)なんとなく自然消滅。そこで大江君は高校のころからやっているバンドに私を誘ってくれたのですが、どうしても当初の焦点を持ったバンドをやりたい気持ちが捨てきれませんでした。

ツジ:結果はともあれ形から入るのは楽しいですよね。僕の所属していた大学のバンドサークルも、Fugaziのコピーのために上裸の男を何人もステージに上げて踊らせたりとか、僕もWeezerのコピーするときは絶対にマットシャープの真似を全力でするとか、「知ってる人がわかって楽しいこと」みたいなのをするのが好きでした。

川上:面白いですよね。ベースの子にはマークみたいにずっとへらへらしてて欲しいって言ってました(笑)。ツジさんのマットシャープ見てみたい(笑)。

ツジ:ただ仁王立ちで腕振り降ろしてるだけですけどね(笑)。まだophillの結成にはたどり着きませんね。それ以降はどうだったんでしょうか?

川上:ある時、ソロの話をもらって久しぶりにライブをすることになりました。ライブ前日にSSWを作って演奏をしたのですが、会場に以前よりバンド知り合いだった藤井と佐藤が来ており「SSWはバンドでやりたくなるね。」と二人が言ってくれました。「じゃあ、手伝ってください。」と言ったら「ええよー。」という軽い返事が返ってきました。(笑) 大江君からwe are the worldの曲を譲り受けることにして、ドラムは以前やっていたバンドの田中さんにお願いして結成となりました。その後2019年1月にドラムがカズナ(当時高校生)に代わって現在に至ります。

 

20190414-21

ツジ:SSWがophill結成のきっかけだったんですね。ストレートにバンド映えするメロディと歌詞で、演奏もハマっていていつも聴くと胸の奥が軽くなるような曲です。
新しいドラムの方、そんなに若かったんですか!驚きです。結構な年の差がありますよね。

川上:カズナのおかげで平均年齢がぐっと下がりました(笑)。

 

WRITER

tomohiro

エモを中心に枝葉を伸ばして聴いています。アナログな人間でありたいと思っています。野菜がたくさんのったラーメンが好きです。

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