disc reviewセンチメンタルでレトロな空想少女達

shijun

エチケットカーリーズ

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名古屋を中心に活動していたバンド、カーリーズのミニアルバム。cinema staffなどを輩出した南山大学アメリカ民謡研究会出身であり、名門出身だけあってか全編にわたって良質なポップスである。昭和歌謡的な香りが充満しているメロディはどこから切り取ってもキャッチーで、一度聴いただけで耳に残るメロディばかりだ。レトロっぽさを随所に織り込んでくるアレンジセンスも素晴らしい。#1の間奏や#2のサビのボーカルラインとともにキメるフレーズは昭和独特の怪しさを感じるし、#4のイントロのギターはシンプルながらも雰囲気抜群で耳に残る。また、キュートで時にわがままそうな顔も見せるVoと、少女的でありながら色っぽさや怪しさを醸し出すVoの、女性ツインボーカル編成となっており、時にハモり時にユニゾンするコーラスワークは確かなポップセンスを感じさせる。デュエット曲の様にAメロやサビを交互に歌う#5のような曲もある。歌詞もコンセプチュアルに作られており、少女と大人の間で揺れる女の子の心情を、レトロかつ不思議な世界観でコーティングしたような感じだ。キャッチーなフレーズも随所に織り込まれていて抜かりがない。ここまで読んで少しでも興味を持ってくれた方には是非聞いていただきたいアルバムだ。その徹底したクオリティに驚愕してほしい。

 

WRITER

shijun

ポップな曲と泣ける曲は正義です。female vocalが特に好きです。たまに音楽系のNAVERまとめを作ってます。なんでも食べます。

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