disc reviewInternal Meeting Compilation制作のお知らせ

tomohiro

みなさん、お世話になっています。cllctv. トモヒロツジです。

早速ではありますが、タイトルの通り、Internal Meeting Compilationの制作を告知いたします。以下URLより特設サイトをご覧ください。

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個人的な声明

昨今、コロナウイルスの猛威による音楽業界、特にライブハウスへの打撃は著しいものがあり、すでに何件ものライブハウスが閉店を余儀なくされています。そんな世の中の流れを歯がゆく思いながらも、それでもどこか他人事の気持ちでいてしまった、そんな自分がいました。しかし、4月に入りますます事態は悪化し、ついに自分がお世話になったライブハウスにも「閉店」の2文字が残酷に迫ってきています。

そんな事実を目の当たりにしてしまい、気持ちにダメージをくらいながらも、流石に何か行動しないと絶対に後悔が残ってしまう、そう感じ始めたタイミングで自然と同じ思いを持っていた友人たちと声を掛け合ってオンラインでの会話の場を設けました。猫を堕ろすのボーカル薫人(@ykpythemind)と、cllctv.をはじめとしてライブカメラマンとして活動する志賀(@shigaaaa21)の二人でした。

その場で、自分たちの居場所を守るために何ができるか検討を重ねました。志賀はスタッフとして参加する名古屋のパーティ、Touch & Goですでに同じ目的のもとに動き始めていました。

そんな彼の考えも聞きながら僕と薫人ができる最大の策を考えた上での結論が、今回のコンピレーション企画です。

 

いくつか出たアイデアの中で、今回この結論に至ったのは、コンピレーション企画が以下の点において、今回の趣旨に沿っていると思えたからです。

  1. アルバムをネットリリースすることで、極力コストと人的負担を削減することができる
  2. サブスクリプションで配信することで、お金を払わなくとも、「聴く」ことでサポートすることができる
  3. みんなライブハウスで音楽をやってきてここにいるので、その恩は音楽で返すのが一番

 

それぞれについて少しだけ思いを話します。もちろん、これらの観点は自分たちなりの最適解であり、他の人たちのサポートのための行動を毀損するものでは一切ありません。

 

1. アルバムをネットリリースすることで、極力コストと人的負担を削減することができる

自分はモノを作るのが大好きです。バンドをやっていた頃もイベンターとしての今も、フライヤー、物販などなども全部自分主導で作ってますし、編集長としてzine『洗濯船』を発行もしています。手に取ることでこそ伝わる温かみや人の営みは絶対にあると思っていて、それを届けるためのものはやはり実体を伴うモノであることが一番良いと思っています。

それでも今回に関しては、この考え方を一度置いておくべきなのではないかと思いました。一部の都府県では緊急事態宣言が発令され、人の移動すらつとめて制限することが要求されています。この状況において、実体のあるモノを作るということは、誰かに仕事をしてもらわなければならないことを意味します。もちろん、この企画はライブハウスの支援企画ですが、そのために他の誰かが危険にさらされてしまうのは、今の情勢を鑑みると避けるべきであると考えました。その結果がアルバムのネットリリースです。

あとは、支援をするための媒体(ここではCDですね)を作ることに資金が必要になった場合、まずは売り上げでその補填をしたのち支援を行う、という形になります。これでは購入してくれた方の気持ちをダイレクトに届けることが難しくなってしまうという思いもありました。なので今回、薫人と僕の二人(と参加してくれる皆さん)のエネルギーだけでまかなえるものであることが望ましかったのです。それゆえに、支援いただく皆さんの気持ちをよりダイレクトに届けることができる形になったと思っています。

 

2. サブスクリプションで配信することで、お金を払わなくとも、「聴く」ことでサポートすることができる

今回、業界全体が危機に陥っているゆえにこのようなサポート企画はたくさん立ち上がっており、支援してくださる方が「投げ銭疲れ」のような状態になっているのではないでしょうか。もちろん、みなさんそれぞれに守るべき場所があり、その優先順位は異なるため、ここにはいくら投げられるけど、ここには財布的に厳しい、、ということもあると思います。あとは、こういう世の中の流れが続いた結果、いくら投げ銭したら偉い、みたいな風潮が生まれてしまう怖さもあります。

今回の戦いはおそらく長期戦になります。善意のサポーターの疲弊を見るのはつらいものがあります。

となると、お金を払う以外にも、きちんと自分がサポートしたい場所の支援に貢献できた、という実感を得られる形を作ることが、サポーター側にとっても益のあることなのではないかと思いました。

サブスクリプションというシステムに乗せてしまえば、あなたの1再生がサポートになります。それぞれの気持ちの許す限りの方法での支援をお願いします。

 

3. みんなライブハウスで音楽をやってきてここにいるので、その恩は音楽で返すのが一番

これは特に言うことないか。

 

 

今回、自分たちはコンピレーションアルバムのリリースという方法で、自分たちのライブハウスを守るべく行動を起こしました。よく駅前で募金集めしている人に向けて浴びせられる言葉の一つに、「その時間バイトなりなんなりしてそのお金を寄付する方がよっぽど直接的で良いのでは」というものがあります。今回僕たちが取っている手段も間接的な方法ではあり、そういった疑問を持たれる方もいるかと思います。

ここにあえて宣言させていただきたいこととして今回のコンピレーション企画のもう一つの狙いを話させていただきます。

それは、「鶴舞DAYTRIP、K. D ハポンのサポート」の名の下に名古屋というローカルの音楽のつながりを強める、ということです。

コミューンという言葉を最近僕はよく使います。僕は名古屋でつながりを持ってくれた人たちとの間のコミューンを今一度確かなものにしたいと思っています。こんな世の中になって、「自分の手の届く範囲の人たちだけでしっかり助け合う」ことの大切さを日々実感します。今回の企画を通じて、まずはDAYTRIP、ハポンの支えにならんことを、そしてこの企画を通じて繋がった音楽たちがそれぞれに支え合ってより良いシーン・カルチャーを生み出していってくれうことを願います。そうすれば、きっと自分たちのカルチャーを無くさずにいられると思うのです。

 

改めて、本コンピレーション企画、どうぞよろしくお願いします。

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WRITER

tomohiro

エモを中心に枝葉を伸ばして聴いています。アナログな人間でありたいと思っています。野菜がたくさんのったラーメンが好きです。

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