disc review疾走の中に寂寞が宿る歌、ソリッドな衝動の果てへ

shijun

PUBLIC EYEFOX LOCO PHANTOM

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東京の5人組、FOX LOCO PHANTOM2009年発売の3rd mini album。切れ味抜群のオルタナティヴなロックンロールを得意としている彼らだが、このアルバムはタワーレコード限定版といゆこともあってか、シングルカットできるぐらいの出来な”VELVET SLLIDER”を始めキャッチーな楽曲が並ぶ。彼らの音楽に初めて触れる人にもオススメの一枚だが、廃盤なのが惜しいか。

都会的な疾走感とキャッチーなリフ、サビメロで一発で心を掴まれる#1VELVET SLIDER」。前作「CHAOTIC MONSTER」のいなたく熱いロックンロールとは一線を画す、クールなオルタナティヴロックがそこにはある。骨太ながらどこか物寂しい雰囲気を醸し出す#1「ハニー」。エモーションを掻き立てるメロディアス。そのメロディアス路線を引き継ぐのが#3「羊時計」。スペーシーな雰囲気すらあるイントロも耳を引くが、その後に現れる濡れたメロディが愛くるしい。なおかつダンサブルで、分厚いギターもやはり心地よく。余韻を見せる終わり方もgood。性急なビートに焦燥を掻き立てるようなギラギラしたギターが暴れまわる#4Boys dont cry」。切れ味たっぷり。最後は激しさとキラキラ感が共存する#5「星の降る夜」。あまり上手くはないものの熱量を感じるボーカルのせいか、やや青春パンク的な趣もあるか。

最も注目度の高まってきていたタイミングで一度活動休止を挟んでしまったこともあり、彼らの名前を見る機会は全国的にはそれほど多くないのが残念である。文句なしに上がれる熱量とポップセンス、そしてロックンロールに対するクレバーな姿勢が感じられる良いバンドなので、ぜひ一度手にとって聞いてみてほしい。

WRITER

shijun

ポップな曲と泣ける曲は正義です。female vocalが特に好きです。たまに音楽系のNAVERまとめを作ってます。なんでも食べます。

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