disc review白昼のスウィート・ラヴァーズ・ロック

dream of youasuka ando
日本のレゲエ・シンガーasuka andoの1stEP。レゲエの中でもラヴァーズ・ロックと呼ばれるジャンルに属しているようだ。正直筆者は全くこのジャンルに明るくないのだが、#1「Jiri Jiri」のスウィートで伸びやかで都会的な空気感と、腰にくるブラックなリズムとの組み合わせに引き込まれてこのEPを手に取るに至った。この楽曲は彼女の初期の代表曲とされているようだ。
軽快な#2「always feel you」はちょっとフレンチポップ的な匂いも感じさせる楽しい楽曲。アウトロのフルートがまたかっこいい。エレピとサックスが優雅に掛け合うイントロから最高なスカ#3「そらのした」。まさに青空が見えるような楽曲に仕上がっている。彼女の歌い手としての素質の一つである、伸びやかで綺麗な低音も存分に堪能できる。
さらにこのEPにはJagabe(Soul Dimension/Reggaelation IndependAncel)による収録曲3曲のダブミックスが収録されている。原曲のオーガニックな質感を最大限活かしつつ、より曲世界への没入を促すようなアレンジが為されておりこちらも素晴らしい。
ブラック・ミュージック由来のダンサブルなリズムが再評価されている現代日本において、レゲエと言う枠組みを超えて普遍的なポップソングの界隈でも活躍が期待できるシンガーだと思う。CD版は残り僅かなようであるが、現在はダウンロード販売が行われているのでそちらで入手すると良いだろう。