disc reviewツインボーカルエレクトロサウンドで綴るフューチャー・ノスタルジー

shijun

STARGAZER ORCHESTRA1000say

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「次世代ファンタジー」をコンセプトとして掲げるツインボーカルエレクトロポップバンド、1000sayの1stアルバム。バンドサウンドをベースにしつつもエレクトロの要素をふんだんに取り入れた楽しいサウンドが持ち味。このアルバムでは、随所でノスタルジックを煽るようなメロディも聞かせてくれ、それがまた絶妙にファンタジックな世界を作り出している。踊れる曲あり浸れる曲ありの一枚。

切れ味の鋭いギターが曲をぐっと締める#1「ONE STORY」。爽やかなエレクトロポップサウンドが楽しい一曲。スペーシーなシンセが目を引く#2「PLANET」。優しげな男ボーカルで作り上げたゆったりとした曲世界を引き裂くように明るい女ボーカル。このコントラストもたまらない。ラスサビ前の展開も面白い。めちゃくちゃキャッチーな加工ボーカルから入る#3「CANARY」。ちょっぴり切ないメロディが楽しげなテクノポップサウンドの上で映える。スピーディーなダンスナンバー#4「MANGA ATTACK」。この楽曲は随所で見せるキレキレなギターがカッコいい。加工されまくったボーカルもどこか攻撃的だが、それでもなお少しの切なさが顔を出すのは流石。ホーリーなシンセからややいきなり感もある始まりを見せる#5「PLUTO[134340]」。ノスタルジーを煽るメロディとアレンジが心地よい。厚みのあるギターがエモーショナルを搔きむしるパートもある。ラスサビではノイジーで多幸感溢れるギターが現れたり。アウトロのシンセも程よい寂寥感を煽る。最後は再びアップテンポなナンバー、#6『WARM HEART』。イントロなどで現れる性急なメインフレーズは楽しげだが、メロディは90年代にJ-POPの方法論を生かした明るくエモく切なく優しい仕上がりになっている。個人的には1995年デビューのSkirtあたりの雰囲気を思い出したが、ここで思い出される曲はきっと人によって違うだろう。(ビーイング系な雰囲気も)とにかく、サビメロは必聴である。 ポップでキャッチーで華々しく、何度も聞きたくなるような楽曲の数々。メンバーチェンジを重ねつつも今なお活躍を続ける1000sayの原点とも言える作品。ぜひ手に取ってみてほしい。

WRITER

shijun

ポップな曲と泣ける曲は正義です。female vocalが特に好きです。たまに音楽系のNAVERまとめを作ってます。なんでも食べます。

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