disc reviewクールに燃える熱量が楽しい、今注目のUK風ダンスロック
DIVEDATS
東京の4人組バンド、DATSのEP。2013年結成ながらサマーソニックに2年連続で出演経験があるなど、今注目度の高いバンドの一組である。メンバーのうち二人はyahyelとしても活動して居る。UKロック、ガレージリバイバル、ディスコポップあたりの影響を感じさせるダンサブルでクールな楽曲が楽しい一枚になっている。
キラキラかつダンサブルな#1「Some Boy」。日本人離れしつつもキャッチーなメロディラインが楽しい。四つ打ちインディーロックの正解のような#2「Candy Girl」。左右から聞こえるチャキチャキしたギターとどっしりと構えるリズム隊のアンサンブルが心地よい。ダンサブルでキャッチーなサビながら、近頃の日本のダンスロックにありがちな押し付けがましさが無いのが好印象で、派手なギミックに頼らずとも楽曲のパワーだけで心地よく踊らせられるという気概を感じさせる楽曲になっている。それとない寂しさ漂うリフが心地よい#3「Goodbye」。切なくも熱量たっぷりなこのサビは日本人にはなかなか作れまい。低温なシンセパートが耳を引く#4「Six feet under」のよりディスコチックなアレンジも心地よい。
とにかくダンサブルで日本人離れしたクオリティの高い楽曲が並ぶアルバム。Ykiki Beatなどと親交があるのもうなづける。UKロック由来の日本のバンドはそれなりに居るが、彼らの武器となるのは「決して派手ではないキャッチーさ」ではないだろうかと思う。押し付けがましさはなく、でも押さえるところは押さえて居る。スカし過ぎてもおらずちゃんと楽しい。そういう意味では00年代のジャパニーズロック的なマインドを感じ取れるのかもしれない。