disc reviewスペインの大型新人!冷暗室のダンスホールポップ
Extented PlayNightcars
スペインのシンセポップバンド、NightcarsのEP。スペインの情熱的なイメージとは非なるむしろ北欧的なクールでダークで少し踊れるシンセポップが楽しめる。2016年結成の新人ながらクオリティが高く、今後が楽しみなバンドである。
低温なエモーションをふつふつと積み上げ続ける#1「Neon Girl」。切なく色気あるメロディシンプルで踊れるビートに体を委ねたくなる一曲に仕上がってる。後半さらにダンサブルになる展開も最高。暖かい幸福感に溢れる至極のポップソング、#2「I Was In A Dark Frame Of Mind (One Clouded By Worry)」。優しくも壮大さを滲ませるメロディが心地よい。シンセとボーカルのみでしっとりと進む#3「The Way It Is」。一瞬光の刺す展開の美。そのまま音を繋げてダークシンセポップな#4「One This Missing(feat. Mike Gerandino)」へ。腰に来るベースラインが蠢き、歪んだギターが轟き、怪しげなシンセが煌くダンサブルな一曲。ボーカルも踊れとばかりにバシバシとキマる。ここでと一瞬優しげなパートが入るのかまた良い聴き味を産んでいる。最後はダークな雰囲気を引き継ぎポストパンク的な趣もある#5「Cruel」。#1と同じく軽めながら心地よいビートが楽しめる楽曲で、いたずらに飾らないところも含め心地よい余韻を残してくれる。5曲だけながら各曲キャラが立っており、なお流れで聴いて心地よい一枚。是非手に取ってみて欲しい。