disc review沙汰待ちの子ねずみと、張り付くチューインガムの甘い香り

Being So NormalPeach Pit
2016年結成(!)、カナダはバンクーバーの4人組インディバンド、Peach Pit。昨年発売された1st album、”Being So Normal”のレビューです。
さて、最近わりと流行りな感じしますよね、こういう音像というか。ちょっと前にレビューしたSurfer BloodとかHippo Campusとかも近い感じがしますね。インディポップとかで括られがちだけど、僕ら日本人の感覚的なインディポップとは少し違うというか、サーフな雰囲気まといつつ、インディロックの根暗さとか、あるいは若干エモな要素とか入ってたりで、この辺りはアメリカ、カナダあたりの若者の流行りなのかな〜と思ったりもする。本人たちはバブルガム・ポップ(だったかな?)を自称しているんですが、それもなかなかいいネーミングですね。こう、’音楽全体にピンク色の靄がかかっているような、どこか酩酊的な感じや、とはいえ大前提として軽快な感じはまさにチューインガムを思わせますよね。
僕は全く直近にこのバンドを知った(audiotreeで後述の”Drop the Guillotine”のライブを見て完全に目を白黒させた)んですが、MVとかの再生回数やばいんですよね。
これとか2000万再生ですよ。
まぁ最近はいよいよインターネットも社会的地位を得、youtubeのユーザーも増えてるのかな。何かと再生数は跳ね上がりやすいイメージがあります。(全然関係ないんだけど、King GnuのMVの再生回数が普通に100万超えててめちゃくちゃ驚きました。)
そういう話はよくて、最近流行りだよねとか言ったけど、流行りだよねくらいだったらわざわざレビュー書かないです。もちろん。
僕も以前のようにジャンルで総なめして全聴きするぜ〜!みたいなバイタリティはもうなくなっているので、結局ジャンルはなんであれ、自分にとってガッツリ刺さる何かがあるバンドに安易に首を縦にブンブンしてしまうわけです。赤べこのように。
この曲ですよ、赤べこ曲は。僕はとりあえず小憎いリフが入ってるともうダメなんですね。どういうのが小憎いかというと、半音感があるやつ。(僕は音楽の理論的素養がないのでそこらへんはうまく言えないです。)この曲のイントロのメインリフとか超最高で、本当、聴いた瞬間にギター持ってコピーした。多分こういうのが好きな人はいっぱいいると思うんですよ、特にエモリバイバル好きな人とか、日本のエモ(というかClimb The Mind)好きな人とか。そういう人にはまちがいなく刺さるんじゃないかな。しかもリフだけじゃなくて曲として非常にスムースにまとまってるあたりもすごくいいですよね、聴きやすいけどフックがかかってる感じ。
正直この曲だけで僕はもう十分なんですが、普通にリードギターのフレージングが全体通していいんですよね。美味しい。#3 “Techno Show”とか#5 “Chagu’s Sideturn”も、ストレートなするりと抜けそうな楽曲なんですが、しっかりとギターが歌うんですよね。こういうギターは日本人好きだなーと思います。GLAYのギターとかまさにじゃないですか。”SOUL LOVE”のあのインディロックバッキングに乗せてグイグイドラマチックに展開してく感じ。
ドリーミーでナーバスなスクールカースト低め感と、軽快に良く歌うギター、それ以外を適度にまとめてアクを強めすぎないバンドアンサンブル。とりあえず押さえといて間違いない一枚でしょう!
ところで、PEACH-PITといえばZOMBIE-LOANですよね。なつかし〜、結局最後まで読んだんだっけな?え?しゅごキャラ?