disc reviewcllctv.企画 Internal Meeting vol.1に寄せて(その1)

tomohiro

猫を堕ろす

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名古屋発シニカルポップバンド、猫を堕ろすです。

オリジナルメンバーの二人は僕と同じ大学の音楽サークルに所属していた同期で、彼らの音楽は名古屋にいた頃からずっと目にしていたものでした。一貫して音楽へのまっすぐな情熱をぶつけ続けてきたコンポーザー伊藤薫人の作る音楽は、いつでも他と少し違っていて、そしてポップでした。そんな彼が作る音楽は時間かけて、確実に人々に受け入れられ、多くの(ひねくれた)仲間を作り、確実に世の中にその姿を認められ始めています。そんな彼らのコミューンの作り方にはいつも勇気付けられています。

 

2019年は待望のアルバム、サウンドリクルーティングをリリース。

YMO、Weezer、Passion Pit、Phoenix。どこかメランコリックでポップだった先人たちからの影響を公言し、それを自らの音楽に積極的にオマージュとして取り入れ、自分たちの音楽を生み出す。生半な音楽への理解と憧憬では嘘になってしまう音楽の作り方を地で行く猫を堕ろすは、抜群な説得力で常に最高の答えを出し、更新し続けています。湧き上がるポップスへの情熱を生で感じ取れるライブ、ぜひ体感してください。

 

 

headache

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彼らも先述の猫を堕ろすと同じく、僕の同期を中心にサークル内で結成され、活動していたバンドです。LOW-PASS、MIRROR、eitoなどなど、日本のポストロックシーンは、他の国とはまた違った、叙情的で、非常に情熱的な発展をしてきました。そんなポストロック最先端で、衝動と流麗さをひたすらに追求し、テクニカルであることと、メロディとしての潤いを両立させた、そんなバンドheadacheです。彼らのライブハウスでの活動はあまり活発ではなかったため、まだまだこの音楽が届いていない人は多いと思います。そんな人たちに届けるべく、今回声をかけ、約2年ぶりのライブを行ってくれることになりました。

 

彼らの音楽を一聴してまず気づくのは、そのメロディの伸びやかさでしょう。歌うことなくして十二分に歌っている、そんな不思議なポストロックです。ポストロック自体、原点をたどれば寡黙な音楽であり、語らぬことが語る音楽でした。誕生から20年以上の変遷の中で、いくつかのエポックメイキングな転換を迎え、ポストロックは少しずつ描写的な音楽へと変化してきたと感じています。彼らのポストロックはその行き着いた先だと僕は思います。フレーズ全てに、描こうとしている情景が流し込まれていて、一曲一曲がとても華やかで美しい。そして、それを全身で表現するエモーショナル。彼らの生きたポストロックを体感するまたとないチャンスをお見逃しなく。

 

 

グッドバイモカ

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彼らグッドバイモカは、今回出演してくれるバンドの中でも最も付き合いが長いバンドで、僕自身一番ライブを見ているバンドだと言えるでしょう。名古屋にいた頃、僕はバンドを組んでいて、名古屋でバンドを続けている中で、ずっと一緒に音楽をやってきたと言って過言でないのが彼らなのです。ともに音楽をする同じ立場の人間として彼らをずっと見てきたからこそ、今の彼らの音楽の力にはとても確信めいた評価をすることが出来て、だからこそ今回のInternal Meetingという企画の場に必要なのだと思い声をかけました。

どこか懐かしくて人懐っこい彼らの音楽は、今回出演してくれるバンドの中で最も”歌モノ”に近い位置付けのものだと僕は思っています。

 

完成された「普遍的メロディ」が歌詞に綴る思いをまっすぐに届ける彼らの音楽は、それそのものの物語性の強さが現れたものだと思っています。日々耽る空想の中のワンシーンを紡ぎだし、二人の声が重なり、歌という形で語られるグッドバイモカの純な音楽はまさに詩的という表現がよく似合うと思っています。いつまでも心に残り続ける「青春」という甘やかな香りを纏うメロディは、きっとまっすぐに、今そこにいるあなたの元に届くでしょう。

 

以上、vol.2では残るPrimacasata、corner of kanto、ジャズマスターが鳴った後に、そして周 from 神様クラブの紹介をします!改めて、Internal Meeting vol.1、どうぞよろしくお願いします。@cllctv_jp、もしくはcllctv.rvw@gmail.comなどなど、あらゆる手段でチケットの予約をお待ちしています。

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WRITER

tomohiro

エモを中心に枝葉を伸ばして聴いています。アナログな人間でありたいと思っています。野菜がたくさんのったラーメンが好きです。

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