disc review電子の旋律にコラージュされた、眩いガラクタの群れ

shijun

Chix 52Chicks On Speed

release:

place:

ドイツのガールズユニット、Chicks On SpeedのEP。自らを「21世紀のゴミ」と称するところからも見て取れるように、なかなか壊れたユーモラスさの持ち主でそれは音楽にも反映されている。。音楽性としてはエレクトロニカを通過したとびっきりパンキッシュなニューウェーブといった趣。

焦燥感を煽るビートに怪しげに加工された男女の掛け合いがアドレナリンを煽る#1「Give Me Back My Man」。Devoあたりのエッセンスも感じさせるコミカルにトチ狂ったサウンドが楽しい。コミカルながら最後までクールな熱量を保っているのも面白い。ポエトリリーディング…と言うよりは語りをビートの上に乱暴にコラージュしたような#2「Strobelight」。チープな未来世界へトリップさせてくれる#3「Song For A Future Generation 」。昭和のSFみたいなダサさが逆にdope。中盤のカオティックな展開も容易に馬鹿馬鹿しとわかる歌詞も最高。最後はハードコアでダンサブルな打ち込みにやはりコラージュされた語りが最高に脳内をぐちゃぐちゃにしてくれる#4「The Chixspeed」。

後の作品を聴いた感じではもうちょっとポップな印象だったがこのアルバムは完全にやりたい放題で最高。歌がどうとか曲がどうとか踊れるとかじゃなく完全に脳をぐらつかせるだけの音楽。通勤通学遁世どのシチュエーションでもばっちり飲み込む一枚。ぜひ手にとってみて欲しい。

WRITER

shijun

ポップな曲と泣ける曲は正義です。female vocalが特に好きです。たまに音楽系のNAVERまとめを作ってます。なんでも食べます。

このライターの記事を読む