disc review爽やかな哀愁を纏う、西海岸のネオアコチルウェイヴ
Young At Love and LifeDominant Legs
アメリカはサンフランシスコのチルウェイヴ・バンド、Dominat LegsのEP。Neon Indianなども所属するLEFSE RECORDSからのデビューEP。ネオアコ/ギター・ポップを下敷きとしつつ、西海岸の爽やかな風を感じさせるアレンジが心地良い。もちろんチルウェイヴ的なドリーミーさやレイドバック感もたっぷりと。
ちょっぴりレトロなギターのカッティングに優雅な男女ツインボーカルが乗る表題曲#1「Young At Love and Life」。開けていきそうなシンセ、みずみずしい哀愁漂うサビ終わりのフレーズなど、シンプルな構成の楽曲ながらしんと心に染み渡るようなアレンジが憎い。切なく煌めくギターとグルーヴィーで土着的なリズム隊が眩いノスタルジーを煽る#2「Clawing Out At the Walls」。どこかトロピカルさも感じさせる#3「About My Girls」。ギラギラしたギターのリフレインに体を、哀愁ダダ漏れのメロディに心を委ねたくなること請け合い。くどさはないけど中毒性バッチリ。ブルージーさすら感じさせるアコースティックギターが渋く響く中、ダンサブルな打ち込みのドラムが色を刺す#4「Run Like Hell For Leather」。
ネオアコ/ギターポップの煌めき、切なさを存分に滲ませつつ、ダンスミュージック的な肉体性も兼ね備えている。ネオアコの進化系であり、チルウェイヴとしての観点から見ればダンスミュージックの進化系でもあり、そしてまたどちらにおいても先祖返りでもあるような、そんな作品であった。ぜひ手にしてみてほしい。あと、やっぱり哀愁たっぷりの男ボーカルと透明な女ボーカルの相性っていうのはやっぱり最高。