disc review僕らの背中を押す潮風のような音楽
About LightsShipyards
少し耳に入れただけで頬がほころぶ軽妙で甘いメロディとコードワーク、3分弱で聴き手を引き込み歌わせてしまうポップネス。エモを織り交ぜた技巧派メロディックパンクバンドの新定番を我々に提示するShipyardsの2ndアルバム。
The Get Up KidsやJimmy Eat Worldなどから生まれ、Save The Dayなどのシンガロンポップパンクを生み出した系譜の末端で、今彼らは歌っている。一聴すると、他のメロコアバンドと道を同じくするように聞こえるかもしれないが、ただのメロコアと思って欲しくはない。やや過剰にも思える歪みっぱなしのギターに、時折現れるギタ−2本の小憎い絡み、そして何よりヘタクソかつポンコツに楽曲全体に色をつけるボーカルワーク(当然サビではシンガロング)、こう見てみれば一目瞭然。彼らはまごう事なきエモをやっているのである。そしてアルバム一枚を通して1曲もしっとり聴かせるチューンがない。こんな若さと青さのままに街を肩で風を切るようにして歩く感覚を与えてくれる彼らを愛せないわけがない。#2のFalling From Palmのサビなどはもう最高である。こんなものを眼の前で演奏されたら右手を突き上げられずに居られるだろうか?サビを歌わずに居られるだろうか?あなたも是非この青さに胸を焦がされる感覚を体験してほしい。
throat lozenge