disc reviewビートとビートの隙間で、暴走するナードライオット
エスノファンキードフトエフスキーカムカムクラブep0.8秒と衝撃。
日本のナードオルタナバンド、0.8秒と衝撃。の2ndアルバム。ハードコアだったりテクノだったり歌謡曲だったりポストロックだったり曲毎、いや時に曲中にもめまぐるしく色を変えるある種のごった煮感が楽しい。様々なジャンルを飲み込みつつも精神性は一貫してナードでパンクであり、そう言った精神性に共鳴できる人にも響くバンドだろう。
爆発的なビート、切れ味の鋭いギター、シャウトと無気力を繰り返すツインボーカル、全ての要素がアドレナリンを加速させるリード曲、#1「ビートニクキラーズ」。聴き心地よさを重視しつつも、意外とシニカルに現実を切り取っている歌詞も面白い。Arctic Monkeysも彷彿とさせるダンサブルなベースラインに切ない歌謡メロディーが乗る#2「21世紀の自殺者」。切り裂くようなビートに加工されたボーカルと怪しげな上物がかなりカオティックな空気を紡ぐ#3「号84谷渋」。そして最後には打って変わってメロディアスで優しい#4「FOLK GUERRILA」。前作「Zoo & LENNON」ではより顕著に表れていた、彼らのメロディセンスが炸裂する一曲となっている。
なお、彼らは2017年11月のライブを最後に活動休止することが決まっている。ライブも最高に楽しいバンドなので是非観れるうちに行ってみることをオススメする。