disc reviewオスロの空気感をパッケージング、ハッピーに昇華した至福のダンスポップ

shijun

Easily Led AstrayKid Astray

release:

place:

欧らしい澄んだ低温感あるサウンドで奏でられるダンサブルなシンセポップ

ノルウェーはオスロ出身のインディーポップバンド、Kid AstrayのEP。北欧らしい澄んだ低温感あるサウンドで奏でられるダンサブルなシンセポップ。静かに齎される高揚感と幸福感には、まさに北欧人のセンスというか、彼らがノルウェーで吸いこんできた空気そのものが感じられる。メロディやシンセのフレーズがキャッチーなのも評価点。

随所で顔を出す高揚感溢れるエフェクトもセンスフル

小気味よいギターと性急気味なダンスビート、そして冷たく光るシンセがクールなダンス空間を提供してくれる#1「Like You Care」。ボトムを支えるリズミカルな極太のシンセで高揚感とダンスを煽る#2「Hey Sister」。スペーシーなシンセが聞ける間奏部分や煌めくカッティングギターもいい仕事をしている。浮遊感あふれるサビとベースがメインで無骨なダンサブルさを発揮するバース部分との対比が見事な#3「The Best of Us」。そして彼らの躍進のきっかけとなった代表曲#4「The Mess」。金太郎飴のようにどこを切り取ってもキャッチーでダンサブル。そして、リバーブを効かせた穏やかなギターとアンニュイなメロディの利いたAメロから、冷たい雰囲気はそのままに満点のキャッチーさを纏ったサビへのつなぎが見事な#5「All Alone We’ll Be Just Fine」。随所で顔を出す高揚感溢れるエフェクトもセンスフル。

『バカバカしいほどキャッチー』

彼らのサウンドは本国では(褒め言葉として)『バカバカしいほどキャッチー』と評されている様で、確かに実際にびっくりするほどキャッチーな展開が続く。それは彼らの若さ故という部分もまたあるのかもしれない。しかしながら我々日本人から見るとやはり北欧特有のクールネスがどこか大人びた雰囲気にも感じられるのが不思議である。そんなKid Astray、6~7月に初のジャパンツアーを控えている。(勿論、名古屋には来ない。)日本に彼らの旋風が巻き起こる日も近いのではないだろうか。要チェックである。

 

WRITER

shijun

ポップな曲と泣ける曲は正義です。female vocalが特に好きです。たまに音楽系のNAVERまとめを作ってます。なんでも食べます。

このライターの記事を読む