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2015.10.04

三上ちさこ

tribute to… - EP

さらに伸びやかに、さらに直情的に

ra-foaの元ボーカル、三上ちさこの2012年リリースのソロ音源。過去にはメジャーレーベルにも所属していた彼女だが、今作はレーベルを通さず自主制作と言う形でのリリースとなった。ライブ活動こそ続けていたものの、音源自体はなんと7年ぶりということもあり、長く待たされたファンも多かったのではないだろうか。fra-foa時代は轟音サウンドをバックに激情を振り絞っていた彼女だが、7年ぶりの音源と言うことでさすがに肩の力も抜け……ということは無く、エネルギッシュな歌唱は相変わらずである。ソロ音源と言うことで音楽性はバンドの縛りからは抜け出し音楽性は多様であるが。fra-foa時代の楽曲のセルフカバーも収録されている。

2015.10.02

eito

Trivial Agony

重なるふたつの脈拍は、情動的な流線を為す

名古屋の4人組ポストロック・インストバンド、eitoの初となる流通音源。"Trivial Agony"以前の自主制作音源から、すでにクオリティの高いテクニカルな楽曲を持ち味としていたが、初となるフルアルバムに至り、その輝きにはさらに磨きがかかった。

2015.09.30

HALCALI

サイボーグ俺達

異質を飲み込む都会のユルいポップアイコン

気負った感じの一切ないユルいラップスタイルはヒップホップシーンでも特異。かつてその力の抜けた雰囲気でJ-POPシーンに衝撃を与えたPUFFYに通ずる部分もあると言えるだろう。豪華な作詞作曲陣に依る多彩なサウンドと、シュールな物から等身大の女子を歌ったものまで多彩な歌詞も特徴。

2015.09.29

the north end

balance

崩落する極東のバビロンを睥睨する、鈍角な尖兵

彼らはレベル・ミュージックを表現する。形として表すならば、それはポストハードコアの領域に収めることも可能かもしれない。しかし、そこに内包され、発露するのは現代の社会、情勢に対する反骨心が剥き出しになった主張の歌であり、単に、ハードコア、もしくはパンクとして片付けることはできない。

2015.09.26

THE JELLY LEE PHANTOM

HIGH★SCHOOL★DISCO

We love dance and music lovers

日本のダンスロックバンド、THE JERRY LEE PHANTOMの6thアルバム。メジャーレーベルにも籍を置いていた彼らが自主レーベル「PUNK★THE★DISCO」を設立して初のアルバムである。アルバムタイトル、レーベル名からも分かるように、音楽性はディスコミュージックの影響を受けたダンサブルなロック。レトロなキーボードもキレのいいギターも、全てはリスナーを気持ちよく踊らせる、ただそれだけの為に鳴らされている。

2015.09.25

bufferins

Corrupt

新緑の白樺並木と、頬を刺すまだ冷たい風の色

日本の極北、北海道の地に生まれた女性ボーカルを擁するオルタナ、エモバンドbufferinsの1stフルアルバム。同郷のCOWPERSにも通じるような、一本道直通な骨太のエモ、パンクスタイルに、Nahtと同じ流れを感じるメロディックなボーカルが絡む。また、絶妙に拙い英語で歌うボーカルが、本来の歌の透明感、上手さをほどよくバンドへと溶け込ませることに成功している。

2015.09.23

うつくしきひかり

うつくしきひかり

光ったり黙ったり、流れるままに揺らいだり

ピアノ、ボーカルのナカガワリサ(ザ・なつやすみバンド)と、スティールパンのMC.sirafu(ザ・なつやすみバンド/片想い)で結成されたポップスデュオ、うつくしきひかりのフルアルバム。このうつくしきひかりという名前が言い得て妙。煌めくピアノやスティールパンの音色とナカガワリサの透明で柔和な歌声がマッチし、まさに「うつくしきひかり」の中に居るような聞き味なのだ。

2015.09.22

5pm promise

Unfinished Landscape

落ち行く夕日の叙情と、迎える青天の爽景

滋賀の5人組叙情系ハードコア、5pm promiseの自主制作1st e.p.。このバンドにおいて特筆すべきは、クリーンの伸びの素晴らしさ、シャウトの十分な歪みっぷりと音圧、そして楽曲を彩る、希望を感じるキャッチーでスカイハイなフレーズである。

2015.09.19

Jenny on the planet

Jenny on the planet

「ラララ」と「パパパ」の小惑星で

あのThe Pastelsの来日公演のフロントアクトを務めたり、ジャパニーズアノラックの女王吉野桃子とも深い交友があったりと、ジャパニーズアノラックシーンにおいて確固たる地位を築いてきたバンドである。音楽性もThe Pastels直系の、ヘロヘロだけど思わずキュンキュンしてしまうようなギターポップ。しかも彼らは男女混成トリプルボーカルというさらにキュンキュン濃度の高い編成を持ってきたから恐れ入る。全英詩だが、英語はかなり下手。それがまた良い。

2015.09.18

As Meias

As Meias Ⅱ

ジャパニーズエモにおける稀代の突然変異、褪せない名作

近年のジャパニーズエモ、ポストハードコアを代表する完全な意欲作であり、唯一無二の輝きを放つ傑作。エモに起きた突然変異、As Meiasの最高傑作、2ndアルバム。