disc reviewinterview cllctv. meets 猫を堕ろす
今回、cllctv.が行うインタビュー、その相手は、2019年5月にニュー・アルバム『サウンド・リクルーティング』をリリースし、東名京の三都市でリリースツアーを巡ったシニカル・ポップバンド、猫を堕ろすです。
「音楽として勝負する」意欲作を生み出したその原点に迫ります。
Twitterでつぶやいた「猫を堕ろす」という言葉から
Tomohiro:早速ですが、今日はよろしくお願いします。猫を堕ろすはそもそもベースのShijunが僕と一緒にcllctv.をやっているし、コンポーザーの薫人(伊藤)と合わせて同じ大学の同期。なっちゃん(イカリヤマナツ)もその頃からのなじみということで、くだけた感じなるかと思いますが、ご承知おきください。
Shijun:まさか自分がインタビュー受ける側になるとは思わなかったけど、よろしくお願いします。
伊藤:いつも通りのゆるりとした感じでやれたらいいね。よろしく。
ナツ:よろしく〜。
Tomohiro:では、早速ですが、猫を堕ろすというバンドはどうやって生まれたんでしょうか?
伊藤:そもそも俺とShijunは大学のバンドサークルの同期っていうのがあるんだけど。
Shijun:大学二年生の時だったと思うんだけど。俺がツイッターで「猫を堕ろす」っていう単語を気に入って使いまくってたら、薫人から「それでバンドやろう」って言われて……。
Tomohiro:愛護団体とか大丈夫なのか、今思うとなかなか危ないワードではあるよね。
Shijun:今のところ、そこそこ怒られたり怒られなかったりでなんとか。
Tomohiro:怒られてるんだ(笑)
Shijun:猫すごい好きな人に「バンド名見ただけで泣きそうになる」って言われてたり。
一同:(笑)
Tomohiro:感受性が強い人にはちょっと刺さってしまうかもしれないね。
Shijun:そんな感受性豊かな人にこそ聞いてほしい音楽なんだけど、本当は。
伊藤:そういう逆張りも込めてこのバンド名にしたみたいなところはあるしね。
Shijun:引っかかりを持たせようかなとね。俺らも猫を堕ろしたいわけじゃないし。
Tomohiro:という冗談はまぁ置いておくとして。
Shijun:それでいうと、声をかけてきた薫人は結構ワード先行というか。もともと曲名とか言葉先行で音楽を作るようなやつだったから、たまたま発した言葉に引っかかりを持って誘ってくれたんだなと。
伊藤:割と言葉の引力や必然性みたいなものを信じてるところはあって、それが創作の大きな原動力になってることが多い気がするし、この場合もそうだったね。
Shijun:そんな感じで。サークル内でメンバーを集めてスタジオ入って、最初二年くらいはずっとサークルの中で活動してたんだけど。
名古屋のベリーバトゥンっていうバンドがあって。ここでも薫人が参加していたのがあって。2015年くらいだったと思うけど、共同企画をやろうって話が出たんだよね。
Tomohiro:『walls』のレコ発の時だったよね。
伊藤:『walls』!タイトルすらあやふやだった。
Tomohiro:この頃はまだボーカルも違ったよね。
伊藤:この頃はまだなっちゃん(イカリヤマナツ)じゃなくて。サークルの同期だったんだけど。
Shijun:色々活動の形が変わってきたのもあって、予定が合わせにくくなったりもあって。
ナツ:そのタイミングでもともと繋がりがあった私がボーカルで入ることになったんだよね。
Tomohiro:そうか、それくらいの時期にはもう加入してたんだ。その時って、まだ薫人ギター弾いてたよね?
伊藤:弾いてた弾いてた。そもそもなっちゃんが入るまではボーカルにキーボード弾いてもらってて、俺はギター弾いてたんだよね。
Tomohiro:今更ではあるんだけど、当時まだ決まってなかったボーカルになっちゃんが選ばれたのはなんでだったんだろうなって。
Shijun:それは、薫人が割と次のボーカルに推してて。なっちゃんはもともと薫人と友達だったけど、自分も面識はあったしどういうボーカルかもわかってたからそれなら全然いいなって思って。
ナツ:めっちゃ軽く「いいよ!」って受けたけどめっちゃ練習とかで怒られるって言うね。シンセ弾けなすぎて(笑)
一同:(笑)
ナツ:月一ぐらいの感じだったから、「あ、やるやる〜」って軽く受けた感じだったから。私が練習しなかったのが悪いんですけど。
Shijun:そんなタイミングでたまたま、なっちゃんと同じように馴染みの友達だった、Suspended 4thのサワダがギターで入ってくれて。
伊藤:それで俺がキーボード弾くようになって。そもそもギターやベースも弾くけど、ピアノも昔からやってたのもあって、割と鍵盤にも馴染みがあったし。
それで今の5人でやっていくスタイルが整ってきたんだった。
Tomohiro:それが、今の形のスタート地点に近いと言えそうだね。
ナツ:ちょうどその体制になった前後でのsukida dramasとの企画だったり、soratobiwo呼んで企画やったりとか、色々繋がり始めた気がする。
伊藤:そうだね、それで2年くらいはやってたしね。なんか感慨深くなっちゃうな。『感慨深くなっちゃいますね(笑)』。
Shijun:文章化を想定すんなよ。
伊藤:(笑)
Shijun:全然笑ってないし(笑)