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音楽的にはドリームポップ、シューゲイザー、ポストパンクなどの影響を受けた退廃的な曲が特徴であり、非常に暗いアルバムになっている。
正統派スメリアンとでも呼べるかのような、グロウル、シャウトとハイなクリーントーンを使いこなすボーカルに、シタールや琴、など、中東要素を大胆かつメロディアスに取り入れられた楽曲が融合することで、レーベルの中でもオリジナリティを確立している。
音楽性としては男女ツインボーカルのオルタナティブ・ロック。空間系エフェクターを利かせた浮遊感ときらめきのあるギターに、それをがっちりと支える土台となるリズム隊の絡みが心地よい。
アンビエント、トリップホップ、スローテンポ、ブレイクビーツなど、彼らの音楽はそれぞれの要素を見事に融和させており、名前を変え継代されてきたそれらの音楽性を、フォーキーな味付けにより、美しく情感にあふれたものへと統合した。
MO'SOME TONEBENDERの百々和宏(Gt.Vo)、凛として時雨の345(Ba.Vo)、そしてL'Arc〜en〜Ciel、acid androidのyukihiro(Dr)という豪華なメンバーで結成されたgeek sleep sheepの1stフルアルバム。シューゲイザー、ニューウェイヴ、オルタナティブロックをベースにしつつ、インディー・ポップ的な質感の楽曲もあったりと、メンバー3人のパブリック・イメージから考えるとやや意外かもしれない。
再生ボタンを押すと同時に溢れ出す圧倒的物量、情報量のノイズと、切なく流麗な旋律の暴力的なコラボレーションにより織り成される壊れた物語。
楽しげなコーラスがやたらと多く、ライブ映えする楽曲達からは、結成から15年以上経ってもまだ全国のライブハウスを巡っている彼らの自負すらも感じる。また、色々な方向性を経由してきたキャリアの長いバンドだけあって、ノリがいいと言っても一筋縄ではいかない。
まさにWeezerからの影響を隠そうともしないオルタナティブでルーザーなサウンドは、イントロから僕らに眠る負け犬精神を凄まじくほじくり出し、僕らの膝を折らせ、嗚咽させる。
昭和歌謡的な香りが充満しているメロディはどこから切り取ってもキャッチーで、一度聴いただけで耳に残るメロディばかりだ。レトロっぽさを随所に織り込んでくるアレンジセンスも素晴らしい。